「…まだ熱、下がりませんね」
プラチナの額に乗せた手をそっと放すと、ジェイドは淡々とした口調で言った。
ここ最近プラチナの体調は悪くなる一方だった。
日増しに体力も衰え、床に伏せる時間も多くなっていた。高熱と微熱の続く日々。体力も次第に落ちてきている。
「どうにも役に立たんな、この体は」
そのことを誰よりもよく判り、現状を苦々しく思っているのはプラチナ自身だろう。

自由にならない体。
重い腕。
掠れる声。
熱に浮かされる思考。

感じさせる、その時。

「…お前の手は冷たいな」
プラチナは自分に添えられていた手を取ると呟いた。
この手が自分を現実へと引き戻してくれる。
自分を確かに導いてくれる、手。
「そうですか? でもこのくらいの体温のほうが、今のプラチナ様にとっては丁度いいでしょう?」
「そうだな」
ひやりとしたジェイドのこの手が全てを吸い取ってくれるようで。
その心地よさに身をゆだねる。

「そういえば、こういう話知ってます? 冷たい手の人間は心が暖かいって言う話」
「…何だ、それは」
ジェイドに顔を向け、プラチナが眉根を顰める。
「一種の迷信ってやつですけどね」
「だろうな。…お前を見ていると信憑性のかけらもない」
「…酷いですねぇ。まぁ否定もしませんけど。…それにプラチナ様の手は暖かいですしね」
「何だ?」
語尾が聞き取れず、プラチナが聞き返す。掠れるように呟いた声はプラチナの耳に届かなかったようだ。
「いえいえ、何でもありません。ま、こーいう話もあるくらいですから、プラチナ様も、俺が冷たいと感じられるようになるくらいまでは体温下げてくださいよ」
これでは熱すぎますから、と言ってジェイドは笑った。
遠まわしに自分を気遣った優しい言葉に、ぎょっとしてプラチナがジェイドの顔を見る。
そんなプラチナを楽しむかのように、ジェイドは何食わぬ顔をしてプラチナの手を握り返した。
「いい見本がここにいるでしょう? プラチナ様専用なんですから、ご自由に扱ってくださってかまいませんよ」
「…喉が渇いた」
ジェイドの言葉に一瞬の間を置いて、プラチナが答える。
「はいはい、今水をお持ちしますよ、プラチナ様」
…この手で。



みう様へのキリ番お礼SSです。
リクエストはジェイプラで短命ED、甘々で…と言うことだったのですが…(汗)
これを書いていて、甘々の定義がわからなくなりました…(最悪)
しかもやたら短くなってしまいましたが、時間をかけて読む価値もないので丁度いいです(苦笑)
ごめんなさい、みう様・・・(懺悔)
ポルノグラフティがお好きな方にはわかるかもしれませんが、題名由来は同名の曲からです。
曲自体はあんまり合ってないですけど。ネタ提供は頂きました(笑)
前回のキリリクも書くときにお供にした歌があります♪ 
その中であったお前の中に愛を放つ、って言う部分がどうにも頭から離れなくって(笑)、裏が書きたくなりました…。というかこういう解釈しか出来ない私って…(汗)


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